昔ながらの定番名古屋めし。「きしめん」。
新幹線のホームで待ち時間の間に召し上がったことがある人も多いのではないでしょうか?
きしめん…うどんを平たくしただけじゃないの?
まぁ…そう言われてしまっては元も子もありませんが ^^;
最近のうどんは讃岐うどんがブームになり「コシ」が強調されますが、
「きしめん」はその真逆。形状からもわかる通りコシはありません。
きしめんの売りはその「喉越し」。
ツルツルっと噛まずに飲み込めるのがポイントでもあります。
きしめんの発祥はその昔、戦の時など時間がない人の為に、
早く茹で上がるように麺を薄く延ばしたという説もあるようですし、
今でも駅の電車待ちなど時間のないときにはとにかくありがたい麺でしょう。
名古屋のきしめんはダシが違う!
一般的なうどんとの違いは他にもあります。
ダシが違うということ。
名古屋のお店ではきしめんもうどんも蕎麦も同じ出汁で出すところも多いので、
その違いに気づいていない名古屋人も多いと思います。
まず一つ違うの出汁を取る素材。
一般的にそばつゆ等では鰹節で出汁を取ると思いますが、
名古屋ではサバ節・アジ節といったもので出汁をとっているお店が多いです。
特にムロアジで作られたアジ節はこの地域特有で、
カツオよりもまろやかな味わいだといわれています。
そしてもう一つの違いは味をつける醤油。
「たまり醤油」と呼ばれるこれまたこの地方独特の醤油を使っているお店が多いです。
「たまり醤油」の起源は八丁味噌を作る過程で出てくる汁。
八丁味噌と同じようにコクのあるアミノ酸の旨味がたっぷり詰まった、
一般的な醤油よりも味わい深い醤油です。
アジ節にたまり醤油。
この組み合わせが名古屋のきしめんの深い味わいを出しています。
夏は「ころ」だがね!
シンプルな素の「きしめん」や卵の入った「月見きしめん」
名古屋らしく海老の入った「天ぷらきしめん」
どれもおすすめですが、私が一番好きなのは夏季限定の「きしころ」
いわゆる”冷やしきしめん”です。
”ころ”とは名古屋では”冷たい”の意味。
なので冷たいうどんは「うどんころ」冷たい蕎麦は「そばころ」というお店もあります。
「きしころ」は冷たいがゆえにほんとにツルっと食べられます。
電車の待ち時間が短くても安心。ささっと書き込むことができます。
「あぁ電車に乗りそびれた…」
そんな時は落ち込まずに「きしめん」を食べる時間ができたとポジティブに考えて、
ささっと「きしめん」を食べましょうね。